TOP2018年09月御嶽山頂、遺族ら祈り 木曽町が規制解除
慰霊のために御嶽山の山頂に登った登山者ら=26日午前11時36分
遺族らを前に除幕される慰霊碑=26日午前11時42分

 木曽郡木曽町は26日、御嶽山山頂の剣ケ峰(3067メートル)に通じる黒沢口登山道の入山規制を解除した。2014年9月27日の噴火災害で死者58人、行方不明者5人を含め多くが被災した火口1キロ圏内の規制が解除されたのは初めて。遺族や行方不明者の家族らが次々と山頂に立ち、冥福を祈った。

 解除されたのは二ノ池手前から山頂までの約600メートル。遺族ら関係者には、午前10時半に規制が解かれた。遺族らは花などを持って、それぞれのペースで進んだ。多くが噴火時刻の午前11時52分に黙とうをささげた。被災者家族らでつくる「山びこの会」事務局代表のシャーロック英子さん(59)=東京都=は「山頂はこれまで想像することしかできなかった。目指したいと思っていた遺族が多く、登れるようになったことは良かった」と話した。

 山頂に近い御嶽頂上山荘跡地にできた慰霊碑の除幕式もあった。木曽町と同郡王滝村などでつくる建立実行委員会のメンバーや遺族らが参加した。「安らかに」と碑文が刻まれており、木曽町の原久仁男町長は「犠牲になった人が安らかに眠ってもらえるようにした。これを契機に多くの人に登ってほしい」と述べた。

 一般登山者の規制は正午に解除された。

 木曽町はシェルター(退避壕(ごう))の設置や登山道整備をし、異変時に登山者に呼び掛けるスピーカーを設置。安全対策が済んだとして、規制解除が可能と判断した。今季は10月8日まで山頂に登ることができる。町は登頂の際はヘルメットの着用を促し、山頂で長時間滞在したり夜間に登ったりしないように求めている。

 噴火警戒レベルは昨年8月に最低の1(活火山であることに留意)に下がった。だが、木曽町や王滝村、岐阜県下呂市は安全対策が整っていないとして火口からおおむね1キロ圏内の入山規制を続けてきた。

 気象庁は活発な噴気孔からおおむね500メートル圏内で「ごく小規模な噴出に注意が必要」としている。王滝村の王滝口登山道からの登頂や、山頂から岐阜県下呂市側に進む「お鉢巡りルート」の登山再開のめどは立っていない。

2018年9月26日掲載