TOP2019年06月犠牲者遺族が入山、祈り 規制解除前、山頂に
規制のためのロープを越え、山頂方面へ向かう遺族ら=29日午前11時4分、御嶽山黒沢口登山道の黒沢十字路

 御嶽山頂直下の登山道への立ち入り規制を木曽郡木曽町が7月1日に解除するのを前に、2014年9月に起きた噴火災害の犠牲者遺族や行方不明者家族ら2組6人が29日、規制対象区域に入った。遺族らからの要望を受け、町が一般登山者の入山前の立ち入りを許可。雨の中、遺族らは山頂で祈りをささげた。

 6人は、被災者家族らでつくる「山びこの会」事務局代表のシャーロック英子さん(東京都)ら4人と、行方不明となっている野村亮太さん=噴火当時(19)=の父敏明さん(愛知県刈谷市)ら2人。規制されている約600メートルの登山道への立ち入り許可を得て、それぞれ山頂の剣ケ峰(3067メートル)を目指した。町には7人が入山の意思を示していたが、1人から登らない旨の連絡があったという。

 6人は、午前8時半に運行が始まった御岳ロープウェイで黒沢口登山道の7合目まで登り、それぞれ8合目の女人(にょにん)堂や9合目の石室山荘で休憩しながら登った。幅数十メートルにわたって雪が残る箇所もあり、注意深く進んだ。

 町の入山許可は午前11時半から2時間としていたが、山頂付近の悪天候のため、規制が始まる二ノ池手前に到着次第、同11時すぎから順に入山。町が山小屋関係者らに委嘱している「御嶽山安全パトロール隊」の隊員らに見守られながら規制ロープを越えた。

 野村敏明さんは「せっかく行ける機会を得られたので、山頂で献花したい」。噴火当日、亮太さんと一緒に登っていた叔父の正則さんは「少しでも(亮太さんの)近くに行きたい」と話した。6人は正午すぎ、二ノ池手前の規制対象区域外へ戻った。

 町は山頂付近へのシェルター設置などで安全確保を図り、昨年9〜10月にも13日間限定で、この区間の立ち入り規制を解除。この時は初日の一般登山者の入山前に、遺族らが山頂に入った。今年は、山びこの会から要望があり、規制解除前に入山を許可した。

 今年の規制解除期間は10月16日まで。

2019年6月29日掲載