TOP2019年09月王滝の新本殿、今秋設置断念 御嶽神社頂上奥社
今季の本殿再建を断念した御嶽神社頂上奥社(奥)。手前は王滝頂上山荘=7月26日(村などの承諾を得て小型無人機で撮影)

 2014年9月27日の御嶽山の噴火で破損した王滝頂上(王滝村、2936メートル)の御嶽神社頂上奥社について、神社が新しい本殿を麓で造り、9月上旬にヘリコプターで運び上げる予定だったが、天候不順でかなわずに今秋の設置を断念したことが20日分かった。来年7月の神社の開山祭までに設置する。

 奥社には、いずれも木造の本殿、拝殿、社務所があり、御嶽信仰の信者や登山者らが多く訪れていた。本殿と社務所は噴火時の噴石で屋根の一部が破損。拝殿は火山灰に覆われたが、大きな被害はなかった。本殿は拝殿の奥にあったが、ヘリで下ろした。

 村は王滝口登山道の9合目から上部で入山を規制中。昨年9月、木曽町が山頂の剣ケ峰(3067メートル)までの規制を解除したため、神社は村側でも規制解除が近づいたと考え、全国の信者らから本殿建て替えに向けて寄付を募り始めた。不足分は神社が賄い、本殿は総費用約3千万円で今年8月に完成。一辺約3メートルで、中にご神体を納める。

 規制が早めに解除されるようなら、本殿も設置を急ぐ考えだったという。村は王滝頂上までの規制解除を目指してシェルター(退避壕(ごう))設置や登山道整備などを進めているが、天候不順でヘリによる資材の荷揚げが遅れ、9月中には規制を解除しない。

 社務所は今後、現地で屋根を張り替える。拝殿の屋根を噴石から守るアラミド繊維のシートで覆う計画もある。滝和人宮司(66)は「少しずつ信者を迎え入れられるようにしていきたい」と話した。

2019年9月21日掲載