TOP2019年09月噴火5年、思いともに 三岳の慰霊祭に遺族ら初参加
63個の灯籠を公園の水路に浮かべる地元住民や遺族ら=27日午後6時7分、木曽町三岳の太陽の丘公園

 犠牲者58人、行方不明者5人を出した2014年9月の御嶽山噴火災害から5年を迎えた27日の夜、噴火後6回目となる慰霊祭を木曽郡木曽町三岳地区の公園で開いた。今年は、地道に取り組みを続けていることを知った被災者家族らの「山びこの会」の有志が初めて参列。犠牲者・行方不明者63人と同じ数の灯籠を公園内の水路に浮かべて、住民と遺族ら約70人が一緒に鎮魂の祈りをささげた。

 公園の丘に「9・27」の形に並べたろうそくをともし、初の灯籠流しをした。次男の真友さん=当時(41)=を亡くした荒井寿雄(ひさお)さん(77)=東御市=は「地元の人が犠牲者を忘れずにいてくれる。ありがたい」と写真に収めた。その後、参列者は63本のろうそくを立てた献花台にトルコギキョウを手向け、黙とうをした。

 御嶽山と共に生きてきた地域の責任として、噴火の事実を忘れてはいけない―。慰霊祭はそう考えて毎年開いてきた。ただ参加者は主に地元住民で、遺族らに案内はしていなかった。今年5月、慰霊祭を主催する住民組織・三岳地域自治協議会と山びこの会は噴火後初めて交流。席上、協議会側は趣旨を説明した。住民の思いを知った山びこの会事務局代表のシャーロック英子さん(60)=東京=が慰霊祭を会報で周知し、この日は遺族ら17人が参列した。

 次男祐樹さん=当時(26)=と婚約者の丹羽由紀さん=同(24)=を失った所清和さん(57)=愛知県一宮市=は9月、三岳小学校で講演し、御嶽山を学ぼうとする全校児童の思いに心を打たれた。「関心がなくなることが一番つらいから。犠牲者に真剣な三岳の思いに安心できました」と感謝を口にした。

 「これからも一緒に」「ありがとう」。式典後、住民と遺族らは互いの思いを確かめ合った。自治協の田元稔会長(72)は「『お山』に支えられてきた地域として、慰霊祭は続けたい」と語った。

2019年9月28日掲載