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第1回 全国フォト×俳句選手権

グランプリの部

グランプリの部は長野県内外から57人が出場しました。2010年10月23日(土)の選手権1日目に松本市街地を自由行動で回って作品を作り、1人1作品を提出。2日目に、中谷吉隆さん(写真家)、坊城俊樹さん(俳人)、やすみりえさん(川柳作家)による公開審査を行い、入賞・入選作品を決定しました。

※作品は画像をクリックすると拡大表示されます。

グランプリ

川崎 彰典 埼玉県美里町

決勝審査

 公開審査は全57作品をスクリーンに映し、3人の審査員が講評しながら、松(5点)、竹(3点)、梅(1点)、残念(0点)の札を挙げて採点。得点を基に、入賞・入選作を選んだ。グランプリは、候補となる上位4作品を、順位を未定で決勝に残し、3人が公開で話し合って決めた。

〈月夜には街に転がる手毬歌〉

【坊城】 写真は昼間でしょ。だから、月夜になるとマンホールから手まりが転がり出るんだ。そう考えるとこの写真も良いかもしれないね。
【やすみ】 マンホールの円を通して別の時間帯を見ている、と取ることができますしね。

〈句がたきがここにもありや萩の道〉

【坊城】 萩の道というのは例えば、お寺にあるような道ですね。そこで秋の風情を楽しみながら歩くという。いいですね。
【中谷】 気になるのは写真がわりとおとなしい感じかな。
【坊城】 グランプリにするには、写真と句が若干、類想的かな。

〈ぼくのゆめ秋空つきぬけ無限大〉

【中谷】 1次審査で僕だけ「竹」だったんです(ほか2人は「松」)。理由は、写真に突き抜けるような感じが出ていなくて、(見上げる)角度がもうちょっとあってよかったかなという気がした。
【坊城】 僕は好きでした。
【やすみ】 (五七五の七が字余りの)中八でも作品として認めていいかなと思わせてくれる。無限に広がる可能性のある作品だと感じます。
【坊城】 きょうから中八OKにしちゃう?(会場笑い)

〈現世の夢は儚し秋深む〉

【中谷】 (キツネの像を)擬人化しているわけですよね。
【坊城】 キツネがこっちを見ているような気がしたんです。「あいつら一生懸命なんかやってるけど、人間なんて儚いんだよ」というような。
【やすみ】 なんか怪しい感じ。見ている私たちが吸い込まれてしまいそう。私はグランプリは「月夜には」か「現世の」のどちらかかと。
【坊城】 えーと、私もそうですね。
【中谷】 「月夜には」は写真が平面的だなあという感じ。悪くはないんですよ。ただやっぱり、僕は「現世の」が1番手。
【坊城】 そうしますと、「現世の」でよろしいですか、皆さん。

(審査員と会場から拍手)


準グランプリ

大塚 八重子 茨城県守谷市

久保田 衛 長野県長野市

溝口 開人(小学4年) 長野県伊那市



審査員特別賞

飯野 佳代子 埼玉県美里町

立澤 清隆 長野県安曇野市

大塚 三郎 茨城県守谷市

平林 遼也 長野県松本市



優秀賞

田中 清 長野県松本市

宍戸 安子 広島県広島市

佐藤 正 長野県長野市

石井 日出子 長野県長野市

五味 竹子 長野県長野市



フォトコン賞

高木 弘子 長野県岡谷市



プラザクリエイト賞

白鳥 寛山 長野県長野市

傳田 忠三 長野県長野市

佐藤 幸男 長野県塩尻市



入選

岩原 辰幸 長野県松本市

中村 大祐 長野県長野市

金田 孝 長野県飯田市

西村 明倫 長野県長野市

松本 徳重 長野県小川村

青木 武良 長野県安曇野市

高橋 幸男 鳥取県米子市

松林 和生 兵庫県西宮市

大橋 志ほこ 栃木県さくら市

溝口 祐子 長野県伊那市



全国公募の部

 「全国公募の部」(事前投稿)の入賞作を紹介します。
 同部門は、優秀賞3点(うち1点は高校生以下が対象)、入選12点、佳作24点の計39点を、写真家中谷吉隆氏、俳人坊城俊樹氏の審査で選びました。
 応募総数は、北海道から沖縄まで全国170人、計373点。フォト×俳句選手権2日目の10月24日(日)に表彰を行いました。

※優秀賞、入選の作品は画像をクリックすると拡大表示されます。

優秀賞

池田 正子 千葉県千葉市

井上 達夫 埼玉県美里町

櫻井 裕子 愛媛県松山市



入選

仲俣 一重 長野県飯綱町

白鳥 寛山 長野県長野市

金田 孝 長野県飯田市町

宍戸 安子 広島県広島市

溝口 祐子 長野県伊那市

中村 康子 熊本県熊本市

丸山 好昭 長野県大町市

佐々木 洋子 埼玉県入間市

佐藤 正 長野県長野市

西村 美枝 長野県長野市

立澤 清隆 長野県安曇野市

山口 翔太郎 神奈川県厚木市



佳作

野村 昌弘 神奈川県平塚市

松林 和生 兵庫県西宮市

藤村 伸子 高知県高知市

下岡 國政 愛媛県伊予市

川崎 彰典 埼玉県美里町

福島 博子 埼玉県本庄市

青木 孝子 長野県千曲市

岡部 佑美子 兵庫県西宮市

小林 佳博 愛媛県上島町

山口 万里子 東京都小平市

田中 清 長野県松本市

井上 孝美 神奈川県横浜市

足羽 秀幸 広島県庄原市

葛生 元子 東京都板橋区

高木 弘子 長野県岡谷市

柴山 洋 神奈川県横浜市

篠田 良一 長野県松本市

森山 美津子 長野県飯田市

西村 明倫 長野県長野市

稲井 瑛理香 徳島県吉野川市

平入 麻衣 茨城県筑西市

田丸 千種 千葉県柏市

橋爪 千夏 長野県伊那市

坂本 里生 長野県松川村


審査員の講評と感想

中谷吉隆さん(写真家)

空や雲の様子、池の白鳥、行き会った子どもたちといった当日の松本の空気感が出ている作品を選びました。撮影し、すぐに句を作る撮影吟行会は、私たち選者も苦労するところです。選手権も、普段の紙面での選考と同様に厳しい目で審査しましたが、素晴らしい作品を選ぶことができました。

坊城俊樹さん(俳人)

無記名で誰の作品か分からないまま審査を進め、表彰でやっと名前が分かる公開審査。選に漏れたのか、悔しそうな顔の人がいましたが、どの作品にも魂がこもっていました。

やすみりえさん(川柳作家)

写真はパッと見て心に残るものがあること、句は手あかのついていない言葉選び―を基準に審査しました。句を初めて作る人が多いことを感じさせない作品がそろったと思います。