写真グラフ
 

もくもく木炭車 公道へ  長野の久保田さん 改造に8年
(2003年11月17日掲載) 
 

炭ガスが十分にたまり煙突から煙が勢いよく出始め、いよいよ出発




炉の中のまきをかきまぜる久保田さん。煙がもくもくと充満する




まきは燃えやすいよう細かく切って1週間ほど乾燥させる
 

煙突から煙を吐きながら公道を走る木炭車=長野市篠ノ井の市道




炉から木炭ガスをエンジン部へ送る銀色の管(右)と炉の中へ空気を送るための送風装置(左のオレンジ色)が装着




燃料のまきを取りに裏山へ。堅くてガスが出やすいニセアカシアが向いている

 「子どもの笑顔乗せ走りたい」

 もくもくと煙を吐きながら木炭車が走る。長野市篠ノ井で自動車整備工場を営む久保田茂明さん(73)は、このほど昔懐かしい木炭車をほぼ完成させた。かけた歳月は八年。今月初めに仮ナンバーを付け初めて公道を走った。

 ニセアカシアのまきを炉に入れて着火。煙突から煙がもくもくと出始め、三十分ほどで準備が完了、ゆっくりと工場をスタートした。時速は三十キロほど、煙を吐きながら走る姿を行き交う車の運転者が珍しそうに見る。工場周辺を八百メートルほど運転した久保田さんは「昭和二十(一九四五)年前後の木炭車が走っていたころを思い出しました。調子も良さそうです。最高時速は八十キロも出せそう」と長年の夢の達成に満足そう。

 久保田さんは最初、木炭車の仕組みや構造が分からず、実際に走っている大町市のエネルギー博物館まででかけて勉強、参考にして設計した。ガソリン車を改造し、木炭ガスとガソリンを切り替えて走る仕組み。木炭ガスが発生する「炉」やエンジンに送る「管」、ガソリンと切り替えるキャブレターなどはすべて手作りだ。試行錯誤の繰り返しのうえ、本業の合間の作業で長い年月がかかった。

 年内には青のメタリックに塗装をし直し、車検を取って「近所の子どもたちを乗せてあげたい」。笑顔と夢を乗せて走る日を楽しみにしている。
 
写真グラフ 信毎フロント

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