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カラマツストーブ普及を  山づくりへ―広がる取り組み
(2008年12月8日掲載) 
 

カラマツストーブ普及有限責任事業組合の依頼で私有林のカラマツを間伐し搬出する業者。地主の負担はない代わりに間伐材は無料でもらう=茅野市湖東




納品を待つカラマツストーブ。個人経営の鉄工所で4日ほどかけて1台ずつ作る=茅野市湖東




辰野町の川島小学校は日本森林林業振興会長野支部から贈られたカラマツストーブをいろりの部屋に設置。児童たちは「ぶたストーブ」と呼ぶ
 

ストーブを囲み山づくりについて語り合うカラマツストーブ普及有限責任事業組合とカラモリ会のメンバー=茅野市湖東




原村の住宅に納入されるカラマツストーブ






煙突に20メートルの銅管を巻き付け温水を作る実験。カラマツストーブを通じて連携する山梨県の山づくりグループ「森造」が、床暖房への利用を目指し取り組む=同県北杜市小淵沢町

 カラマツ材を燃やす「信州カラマツストーブ」を普及させることで、間伐を進め山づくりに役立てよう−との取り組みが諏訪地方を中心に広まっている。

 樹脂が多いカラマツは、燃やすと高温になって火持ちせず、煙突にやにも付く−などからまきとしては敬遠されてきた。カラマツストーブはこれらを克服。高温に耐える厚さ6ミリの鋼鉄製で、煙突との接続部分の形を工夫して燃焼効率を高め、やにを完全燃焼。灰の上で燃やすことで火持ちも良くした。

 諏訪地方などの8人が2006年10月に「カラマツストーブ普及有限責任事業組合」(事務局・茅野市湖東)を設立。ストーブは、組合が認定した茅野市や小諸市にある鉄工所で製作している。幅30センチ、高さ45センチ、奥行き80センチの胴長スタイルで、本体価格は27万円。予約分も含め約150台販売した。

 間伐材の有効利用促進に役立つとして、日本森林林業振興会長野支部は昨年度7台、本年度は6台のカラマツストーブを学校や役場などに寄贈している。10月には趣旨に賛同した佐久市の住宅建築会社代表、依田明善(めいぜん)さん(46)ら30人が「カラマツストーブで森を守る会(カラモリ会)」を結成。長野市や大町市などの個人や団体も普及に協力を申し出ているという。

 上田市の有志4人が11月に組織した「上田からまつストーブ普及研究会」(森田稲吉郎代表)は、煙突に取り付ける温水器を研究している。

 カラマツストーブの原型は、諏訪市でシステムエンジニア会社を経営する石神芳郎(よしお)さん(56)が二十数年前に作った「きりがみねストーブ」だ。カラマツストーブ普及有限責任事業組合代表で園芸業の清水馨さん(66)=茅野市湖東=は「ストーブを売るのが目的ではなく、山づくりに役立てたい。会員で下草刈りをするなど森林整備の実践も考えています」と話している。

[写真・文 吉沢正志]
 
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