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郷愁と温かみ  木造校舎「第二の人生」
(2009年10月19日掲載) 
 

<大桑村 達人の館> 旧大桑小校舎の「達人の館」。音楽室をアトリエ兼ギャラリーとして借りている中畑勝美さん(58)は「こんなぜいたくなことはないですよ」



<飯田市の杵原学校> 地元住民らでつくる杵原学校応援団が、旧山本中杵原校舎で開いている子ども教室。体験修学旅行も受け入れている




<さくら国際高校> 広域通信制「さくら国際高校」が入り、にぎやかさが戻った上田市の旧西塩田小校舎。近くに地区の交流施設もでき、地元住民と生徒が協力して地域おこしに取り組んでいる
 

<美篶小学校資料館> 1952(昭和27)年建築の校舎を利用した伊那市の「美篶小学校資料館」。地区住民から選ばれた資料館専門委員らが外壁のペンキを塗り直した



<ふるさと体験館きそふくしま> 旧黒川小校舎を改修した「ふるさと体験館きそふくしま」。機織り、木工、郷土食作りなどができる設備が整っている



<中条村の音楽堂> 上水内郡中条村の旧日下野(くさがの)小体育館を改修した音楽堂。練習拠点としている「中条虫倉太鼓」のメンバーは「山の中なので思い切り音が出せます」

 学校統合や廃校で役目を終えた後も再利用され、地域に根付いている木造校舎がある。郷愁を誘う建物の“第二の人生”を見た。

 伊那市美篶小・中学校だった校舎は資料館として使われている。地元の民具、農機具、出土品、資料などを展示。地区の全戸が運営費として年間100円を負担し、住民から選ばれた資料館専門委員12人が運営。隣にある美篶小も地域学習の授業で活用している。

 木曽郡大桑村の旧大桑小校舎は「達人の館」。村が村木のヒノキでアルプホルンや三味線、コカリナを作る講座を開催。画家や工芸家にアトリエとして貸してもいる。

 1928(昭和3)年建築の木曽町の旧黒川小校舎は「ふるさと体験館きそふくしま」。都市部との交流を目的にした体験学習施設としてNPO法人が運営している。飯田市の旧山本中校舎も体験交流施設「杵原(きねはら)学校」に生まれ変わった。わら細工や郷土料理作りを学んだ中学生は、校舎の感想を「何となくホッとする感じ」「リラックスできる」とアンケートに書いていた。建物は山田洋次監督、吉永小百合主演の映画「母べえ」のロケでも使われた。

 上田市の旧西塩田小は、広域通信制「さくら国際高校」の校舎として利用されている。同校によると、校舎を見て入学を決めた生徒もいるという。高橋保副校長は「木造校舎の温かみが、傷ついた子どもたちを癒やす要素の一つになっている」と話している。

[写真・文 平林幹雄]
 
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