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作り方は3通り~初対談(下)

20080724nb対談.jpg「信州楽学(らくがく)」の「フォト×俳句」2回目は、選者の写真家中谷吉隆さんと俳人坊城俊樹さんが作品の作り方を解説します。写真が先か、俳句が先か―。今回は坊城さんの俳句を課題として出します。句のイメージを膨らませて写真を付けてみてください。課題、自由テーマともに、みなさんの作品をお待ちしています。


<題材、同じ季節で/内容は近すぎず>

【中谷】 フォト×俳句の作り方は三通りあります。まずは俳句か写真、どちらかを先に作る。写真が先の時は、どこかに行った時や日常の中で、自分が感じた面白さ、楽しさ、不思議さを撮っておく。その時に俳句が浮かばなくてもいいんです。
n20080724.jpgb20080724.jpg【坊城】 俳句が先の場合なら、いいと思った句を温めておいて、それに合わせて写真を選んだり撮りに行くとかすればいいんですね。
【中谷】 もう一つは、写真と俳句のイメージが同時に出てくるケース。昨年十一月に中国に行った時、関帝廟(びょう)に入った途端に両方のイメージがわいた。それができると本当にうれしいなと思います。
【坊城】 私は写真が素人でして、撮ることにはとても度胸が要ります。恥ずかしいし。それを日常的に撮れるようになりたいと、カメラを持つことが増えました。僕のフォト×俳句はまずは俳句。写真と俳句の内容が近すぎてはいけませんから、俳句の本意を意識して撮ります。
【中谷】 使うカメラは何でもいい。早く自分の手になじませること。被写体は向こうからはやってこないので、出向かないと。出掛けていけば、発見もあります。長野県は北と南で風土も違うし、行事もいっぱいある。題材としてとてもいい。
【坊城】 私は長野県の祭りとか社とかにそそられますね。詠んでみたいのはやはりアルプス。人々の暮らしと対比させてみたい。私も俳句は外に出て詠もうよと言っています。景色や人を見て作ってほしい。簡単なものでいいので歳時記を手に入れて、季節の言葉の意味を事前に読んでおくといいと思います。
【中谷】 俳句が写真説明になっていたり、その逆も面白くないのですが、季語と写真の題材は同じ季節にすることは大切です。
【坊城】 今回の課題として出した俳句では季語の「汗」そのものを写そうとし過ぎずに、「蒸発す」をどう表現するか工夫してください。

<課題俳句>
汗かきてすこし私の蒸発す  坊城俊樹さん作
 ※募集は終了しています。

(2008年7月24日掲載)



【選者略歴】 ※2012年2月現在

中谷 吉隆(なかたに・よしたか)さん
写真家。1937年、広島市生まれ。ルポルタージュやスポーツなどの分野で活躍。写真コンテストの審査員も多数務める。日本写真家協会名誉会員。作品集に「ノーサイドの笛が鳴る」「神楽坂Story」など。東京在住。


坊城 俊樹(ぼうじょう・としき)さん
俳人。1957年、東京生まれ。俳誌「花鳥」主宰。日本伝統俳句協会常務理事・事務局長。曾祖父は高浜虚子。著書に句集「あめふらし」、「坊城俊樹の空飛ぶ俳句教室」など。東京在住。

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