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たくさん作って上達を~講座「『フォト×俳句』を語る」

北安曇郡松川村の安曇野ちひろ美術館で11日に開いた講座「『フォト×俳句』を語る」(信濃毎日新聞社主催)の内容を紹介します。約80人が集まった講座は、選者の写真家中谷吉隆さん、俳人坊城俊樹さん、ゲストの川柳作家やすみりえさんの3人で、にぎやかに進みました。


【やすみ】フォト×俳句の魅力は何でしょう。

【中谷】 写真にタイトルやコメントを付けるのとは違います。それぞれ独立して表現している写真と俳句を組み合わせて、触れるか触れないか、かすり合っているようなところに面白さがあります。

【坊城】 文字だけで表現してきた私がフォト×俳句をやるのは、不思議に思われるかもしれません。ですが、文芸の新しい時代を探るため、文字による表現と写真など目に見える表現のこれからのためにも、フォト×俳句は試行錯誤の場になっていくのではないかと思うんです。

【やすみ】 五七五と写真が組み合わされることで魅力が広がるんですね。作品を見て私も作りたくなったんですが、コツを教えてください。

【中谷】 作る時は写真と俳句、どちらが先でもいいんです。ただ、写真が先だと、視覚的に強いイメージが飛び込んでくるので、俳句が引きずられて、写真説明になりやすい。私は写真と俳句を別々に考えて、後から組み合わせたりしています。

【やすみ】 (「フォト×俳句」展で展示している)私の初めての作品は、早春に近所のお寺で撮った写真と、手帳に書き留めてあった「春のアカンベー」という言葉が結びついたので、それを使って俳句にしました。

【坊城】 写真と俳句は同時にできるのが理想でしょうが、難しい。私の場合は、あまり時間を置かず「ほぼ同時」に作っています。俳句を作る時に写真は撮らないが、一日くらいのうちに、ちょっと違った場所で俳句を作った時のイメージに近いものを撮るようにしています。

【やすみ】 頭に浮かんだ印象が消えないうちにということですね。

【坊城】 ただ、なかなかうまくいかない。中谷さんより安いカメラだからでしょうかね(笑)。

【中谷】 カメラのせいじゃないですよ。

【やすみ】 「道具に頼るな」ということですね。

【坊城】 要するに腕の問題、心の問題ですか。私は、何でもない時はパシャパシャ撮っていても、テーマを持って撮ろうとすると、すごく構えちゃうし、考えちゃう。

【中谷】 写真だけで表現が完成している写真はある。それに俳句は要りません。でも、写真に風そのものは写せなくても、風を詠んだ俳句を添えればより良く表現できる。こんな補完し合う関係を楽しんでほしい。

【坊城】 写真には苦労してますが、いい写真を撮りたい気持ちが強くなってきた。写真にしろ俳句にしろ、それを好きになることでしょう。

【やすみ】 川柳や俳句の上達には「多読多作」と言われます。フォト×俳句も、たくさん作っていきたいですね。

(2009年4月16日掲載)

<「フォト×俳句」魅力語る>
 2009年4月12日掲載記事

20090412ちひろ美術館講座.jpg信濃毎日新聞社は11日、毎週木曜日の本紙「信州楽学(らくがく)」面に掲載中の「フォト×俳句」コーナーで選者を務める写真家中谷吉隆さんと俳人坊城俊樹さんの対談を北安曇郡松川村の安曇野ちひろ美術館で開いた。川柳作家やすみりえさんが進行役を務め、写真と俳句を組み合わせた新しい文芸「フォト×俳句」の魅力をにぎやかに語り合った。
対談で中谷さんは「それぞれ一つの独立した表現方法である写真と俳句の響き合いが、ぼくをとりこにしている」と強調。一枚の写真と数種類の俳句をスクリーンに映し出し、「最終的に一つを選ぶのが楽しみであり、苦しみでもある」と語った。
坊城さんは「ずっと文学の世界にいたので写真は下手(笑)。その悔しさがばねになって、フォト×俳句をやっている」と会場の笑いを誘いながら、「どうすればすてきな作品ができるか」「写真撮影が先か俳句が先か」といったテーマにコメントした。
やすみさんも、自宅近くの寺で撮影した写真と、恋を取り上げた俳句を披露した。
会場には同コーナーの投稿者ら約80人が訪れ、対談用に募集した「フォト×俳句」作品の講評なども楽しんだ。
同美術館で開催中の「フォト×俳句」展は5月12日まで。
※「フォト×俳句」展は終了しています。


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