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年間大賞発表!

いよいよ2012年の締めくくりです。今回は、選者の写真家中谷吉隆さん、俳人坊城俊樹さんがそれぞれ選んだ「年間大賞」を発表します。この一年、「フォト×俳句」欄に全国から寄せられた作品は2000点余。その中から厳選された受賞作と、作者の話、選者2人の講評を紹介します。

[中谷吉隆選]

病む妻のもの言わぬ日や春遠し

   平元一幸さん(75) 広島市

(平元さんコメント)
思いがけない年間大賞の知らせに感激しています。作品の句は、妻が入院していた時に詠んだもの。「苦しい時もよく頑張ったね」と、ご褒美をいただいたような気がして、今ようやく明るく活発な姿を取り戻した妻ともども喜んでいます。ますます精進し、来年の選手権を目指します。

作品のページ

<妻への慈しみ心に響く 講評・中谷吉隆さん>

 年間大賞は、私がこの一年に優秀作とした23作品の中からあらためて選んだ。それらを見返すと、内容は、重みがあったり、軽みや滑稽さを含んでいたりと、実に豊富で、皆さんがいかに、写真と俳句のコラボレーションを楽しみ、表現の自在さを身につけたかを実感した。平元さんの作品は、病床の愛妻への深い慈しみと回復を祈る思いの奥行きが出ていて、ずしりと心に響くもので、見事だった。



[坊城俊樹選]

山峡の女の話秋の声

   井上達夫さん(84) 埼玉県美里町

(井上さんコメント)

 埼玉県秩父地方の小さな祭り。かやぶきの神楽殿で、地元の人々が芸を披露していました。写真の履物は、その時、ある人が脱いでいったもの。句は、山間の人々の生き生きとした姿に触れて、その暮らしぶりに思いをはせて作りました。年間大賞、本当にうれしく思います。

作品のページ

<テーマを明確に捉える 講評・坊城俊樹さん>

 私が年間大賞に選んだ井上さんの作品には、隠された主人公がいる。山峡の女の姿は見えないが、その話し声が聞こえてくる。それが読者の好奇心をさそうと同時に、「秋声」といった季題が、その舞台装置になっている。今後、写真も俳句も、こうしたテーマを明確に捉えたものが秀作となるのは間違いない。それにより、フォト×俳句作品としてより深い共感と感動を得ることができるだろう。

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