TOP2014年09月佐久の蕎麦(1) 特色ある地域

 数年前から今年にかけて、佐久地方ではいくつかの市町村が、蕎麦を地域の名物に育てるべく名乗りを上げて、さまざまな運動を展開し始めた。なかなか興味深い動きである。

 例えば南佐久郡佐久穂町。旧佐久町と旧八千穂村が合併して出来た町だが、以前はあまり蕎麦が普及していたとも思えないし、そば屋が発達しているとも見えなかった。それが、4月10日の信濃毎日新聞に、<佐久穂「ひすいそば」産地に 町、栽培拡大し商品開発促す>と報道された。

 また隣接する小海町でも、町の姿勢としてソバ栽培を増やし、地元産のソバ粉で美味しい蕎麦を提供する計画が本格的に始まったという。これはやはり4月23日の信濃毎日新聞に掲載され、<小海のソバPR 町がHPや冊子で農家や店舗を紹介>しているという。

 他にも北相木村や南相木村でも以前から蕎麦を懸命に売り出している。それらの町村の中には、観光客にも知られるそば屋が出来てきているが、まだまだ物足りないように思う。こうした、主に南佐久郡での動向は、伝統も含めて、面白い展開が期待出来そうなので、これからの様子を注意深く見守っていきたい。

     ☆

 そして佐久の蕎麦は、古くから=徳川時代初期には全国的に有名だった。千曲川最上流の川上村はソバの産地として日本一だとうたわれた。佐久市の農民が幕末に大坂にそば屋を出したのもすごいことだった。

 しかしなぜか、佐久にはそば屋が少ない。そして、「信濃の国」にうたわれる佐久平という米どころがありながら、米との比較で、蕎麦を馬鹿にしないのも不思議な現象である。

 そうしたことも含めて、以下に佐久の蕎麦の特色を書いてみる。長くなりそうなので、何回かに分けて記述して行く予定。なお、佐久地方は観光地としても恵まれた地域であるが、軽井沢は突出した町で、そば屋も数多い。佐久の他の地域と並べることができないので、基本的には軽井沢を抜かして書いていくつもりです。

 佐久の蕎麦の特色をざっとあげると―――。
  ○古くから有名
  ○徳川時代に大坂へ出店
  ○島崎藤村の記録
  ○蕎麦を馬鹿にしない  
  ○そば屋が少ない
  ○家庭で手打ちを楽しむ  
  ○群馬県の方と類似・共通
などとなるだろうか。以下、順を追って書いてみます。

2014年9月 2日掲載

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