TOP2015年07月「蕎麦女子」が登場? フレッシュなセンスを期待

 以前から気になっていたのだが、善光寺ご開帳の時に、特に目立ったように感じた、女性客のこと。

 新しい大きな店では、カウンター席が設けられている。そこへ女性の1人客が案内される光景を何度も見かけた。

 注文するメニューや食べ方はよくわからないのだが、どことなく、いかにも蕎麦という食べものを知っていて、楽しんで食べている、あるいは、試すように食べている雰囲気が、とても頼もしく映った。

 そうか、以前から増えてきたような気がしていた、蕎麦好きな女性たち―。「蕎麦女子」とでも呼びたいような存在感が出てきたように思った。

 つい先日のテレビで、若い女性たちが、蕎麦の早食い競争をしているのを見かけた。素早く大量に食べる姿に感心したものである。

     ☆

 そば屋では、今は総合的には女性客の比率が高くなっているのだろうが、以前は男性の中に混じって、あるいは連れられて、という姿が多かった。それが女性だけのグループが増えてきたように思う。そして、1人客も目立つようになった...。

 中には2人とか4人ほどのグループで来て、長居をする女性たちも見かける。そのせいか、コーヒーなどもメニューに加える店が出てきた。

 長野市のような地方都市では少ないのかもしれないが、東京など首都圏では相当に目立つ存在になっているのかしら...。

 一方で、女性客がほとんど入らない店も見かける。知られていないのかもしれないし、最初から女性客を歓迎しない雰囲気があって、女性に敬遠されているのかもしれなかった...。

 ごく小さな店で、いかにも、噂で聞いて初めて訪れた、という女性客を見ることもある。たいがいは、男性客にも居心地がよくないような店が多く、なじみ客を作るべく努力する店主と、話が合わなければ、それきりになりがちなのだが。

 女性が仕切っている店は、やはり女性客が多いように感じる。女性同士の気楽さがあり、サービスなどのキメ細かさが心地よいのだろう。そうした店の常連の女性たちと、1人客の「蕎麦女子」風の女性とは、蕎麦の味わいや気持ちの受け取り方が違うのだろうな、と最近感じたこともある...。

     ☆

 私が考える「蕎麦女子」の特色、または大まかな傾向としては...

●1人で平気でそば屋に入る女性が増えた。

 年齢は熟年から若い人までいろいろ。層は厚いようである。

●メニューはざる、もり、せいろなど比較的単純なものが多いよう。

 ただし、これに天ぷらをつける女性も多く見かける。

●食べ方の流儀が堂に入っている。

 食器の扱い、ツユや薬味の使い方など、相当に食べ込んでいるのがわかる。

●推測するに、雑誌、テレビ、新聞などの情報をよく知っているらしい。

 特にインターネット情報を使いこなしているのかも。インターネットでの店の紹介やランキング、点数評価は、相当に作られている、つまり宣伝・PRが加わっているものが多い。それらの評価をかいくぐるようにして、自分の基準で食べ歩きをしているのかもしれない。

●有名店をねらって食べ歩きをする傾向があるのでは。

 味の評価を自分で確かめたいという欲求が強いのかも。大きな店、有名店をこなしていく、数を増やして食べ歩く、という傾向。まったく有名でないが小さい素敵な店はけっこうあるもの。しかし、そういう店には「蕎麦女子」をあまり見かけない。

●独自の表現があるのだろうか。

 香りがいい、喉ごしがいい、といった定番の平凡な評価基準でなく、独自の言葉を使って、店の良さ、蕎麦の美味しさを表現しているのかもしれない...。雑誌や新聞などの紹介記事が、以前と微妙に違ってきたような気がしていて、それには女性たちの参加が影を落としているのだろうか、と勘ぐる。

●女性の視点が重視されるのかも。

 そば屋の店作りでは、奥さん(女性)の役割は大きい。そして表面に女性らしいセンスが出てくることがよくある。そのことと食べる側の女性の視点とは別だ。蕎麦の評価の元は、粋(いき)がどうの、などと男性の歴史で語られてくることが多かった。これからは、女性の立場からの評価、そして情報発信として、大きな影響力が出てきているのかも...。

 総じて、女性に好まれる店づくり、メニュー、そして応対も大事だろう...。

2015年7月17日掲載

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