TOP2015年11月そば祭りへ行こう

 いよいよ新そばのシーズンが始まった。町場では早くから、北海道の新粉で蕎麦を打ち、大いに宣伝している。

 新そばの味はどうか。まだ少ししか食べてないが、味はいいようである。その特徴は、どことなく、凶作の年の特徴に似ているような気もする...。

 そんな新そばの魅力に、ついフラフラと出かけることになるのが、「そば祭り」「新そば祭り」。

 そこで重要なのが、どこでどんなそば祭りがあるのか、という情報だ。

 すでに10月からいくつもの地域で開催された。どこのそば祭りも盛況のようだ。何万、何十万も集めるイベントもあれば、ひっそりと100人とか500人くらいで"成功"と喜ぶ小規模な催しまである。客筋もかなり広域から、あるいは狭い地区中心のものまでいろいろ。新聞やテレビに紹介されるイベントもあれば、まったく知られないままひっそりと行われるものまで、千差万別だ。

 そして、こうしたイベント情報は、実は意外に充実していない。そば祭りの開催予定などは、主催者に聞けばわかるのだろうが、これがなかなか難しい。

 それで、簡単な一覧表があれば便利だが、適当な一覧があまり無い。最近は新聞社(信濃毎日新聞)とか、県内また東京の雑誌に秋のそば祭りの一覧が掲載されることが多くなった。

 その中で、今年からだろうか、長野県観光協会のホームページに載っている一覧が、すごく充実していて感心した。

  さわやか信州旅.net:長野県公式観光Webサイト

    http://www.nagano-tabi.net

  秋の信州そばまつり情報

    http://www.nagano-tabi.net/modules/node/content0038.html

 これを見ると、県内のそば祭りの大要がほぼ載っている。パソコンでぜひご覧下さい。

     ☆

 各種のそば祭りの情報について、私なりに考えた、注意した方がいいだろう点をいくつか上げると―--

【1】 一覧でも、市町村のイベントガイドでも、開催年を確認すること。元々からなのか、1年も2年も前の「予定」がそのまま載っている場合がある。最近は皆さん少し用心して、頭に開催の年を入れるガイドが増えてきたので、それも参考にした方が無難だろう。

【2】 規模という点では、細かい地区のもの、個別の店のものなどを、どれだけ紹介するのかは、線引きがむずかしい。開設者の見識が問われるような気がする。

 訪ねてみたら、単に1つの店のPRだけの「祭り」の場合もある。逆に、村起こしなどで地域を代表する施設の場合など、それなりのにぎわいやサービスがあって、満足できる催しになっているものもある。読者はそれぞれ、自分で判断する方がいいだろう。

【3】 市町村のイベントガイドは、内容も形式も紹介の仕方も、バラバラだ。実際に訪れてみたら、もう蕎麦は売り切れた、あるいは時間が来て終わっていた、という失敗は私も何度か経験した。うたい文句だけではわかりにくいこともある。

【4】 「そば祭り」「新そば祭り」と称して、必ずしも美味しい蕎麦が食べられるとは限らない。イベント用に安い価格で提供する場合が多いので、主催者側が、材料を節約することもあるからだ。

 そんな時は、お祭りだから、とか、違う場所で違う味が楽しめたんだからいいじゃないの、とあきらめるしかないかもしれない。

【5】 どれくらい混むか、駐車場は充分あるのか、など現地に着いて初めてわかることが多い。余裕をもって出かけたいもの。お得なサービスを提供することもあるが、先着○名まで、と区切ることもある。野菜や果物の直売は必ずといっていいほど並ぶのだが、売り切れもよく見かける。早めに買い求めるといいのだろう。

【6】 各地を訪ねる楽しみの1つは、その土地の情報が聞けること。今年のソバの出来はどうですか、などから始まって、この土地の蕎麦の特徴はどんなものがありますか、と聞いて、会話が出来ると楽しいもの。

 もっとも、地元の物知りは忙しくて、応対してもらえないことも多い。また、若いアルバイトをつかまえて聞いても、知らない、とか、先輩に聞いてきます、と、会話にならないこともよくある。

【7】 食べた蕎麦の感想は、出来れば主宰者側に伝えていくと面白いのだが、これが意外に難しい。忙しく立ち働くスタッフは、客の言い分をゆっくり聞く余裕がほとんど無い場合が多い。美味しいと思ったら、帰りに一言だけ、「美味しかったよ」とか「ごちそうさま」とか声をかけてくださると、また来年、がんばってやるか、という気持ちになるだろうし。(「不味かった」とは言いにくいものですが...。)

     ☆

 そば祭りは、北海道から東北、関東、北陸地方の各県でも多彩に開かれているようだ。その概略は全国紙・誌に紹介されることがある。時たま,機会があって比較すると、他県は、長野県ほど多くないような印象だ。そして、情報が物足りないというのは、よそ様も似たような状況なのだろうか。

 同様かもしれない、と感じるのは、イベントの中心であるべき市町村のホームページの不十分さである。せっかく日時や場所がわかって、さて具体的にどんな催しだろうかと探っていくと、たいがいは中途半端な紹介しか載っていなくて、戸惑うことが多いと感じるからだ。

 イベントに限らず、一般的なソバの生産や消費の情報、そば屋一覧などのガイドなんかも欲しいのだが、あまり充実しているとは思えない。

 近年は秋に雑誌の蕎麦特集が組まれることが減った。たぶん、そうした雑誌が多くは売れないからだろう。売れない理由は、特にそば屋の紹介が、あまり信用されないからではないか、と私は踏んでいる。

 そんな傾向がありながら、そば祭りなどのイベントには、実に多くのお客さんが集まる。一種の「蕎麦ブーム」は、まだ続いているような気がしている。これで、いい味の蕎麦がもっとたくさん提供されると、本物の蕎麦ブームになっていくのだろう...。

2015年11月 7日掲載

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