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会場設営の合間に話す小沢さん(左)と小林さん。J1再昇格を待ち望む=16日、松本市のサンプロアルウィン

 松本市のサンプロアルウィン(サンアル)で17日、今季リーグ最終戦に臨むサッカーJ2松本山雅FC。J1再昇格とJ2初優勝まであと1勝としたクラブを特別な思いで見つめる人たちがいる。地域リーグ時代から山雅の選手としてプレーし、現在は運営会社の社員として働く9人の元選手たちだ。16日、会場設営などを進めた元選手たちは、最高の舞台に立ち会える喜びをかみしめていた。
 「スタッフとして戻ってこないか」。2013年、JFLの横河武蔵野FC(当時)との契約が満了した小林陽介さん(35)は、山雅運営会社の幹部からこう誘われた。山雅に所属したのは09年から2年間。だが、横河武蔵野に移った後も試合を見に来てくれたり、自分のブログにコメントを残したりしてくれる山雅サポーターがいた。「山雅で最後までサッカーをしたい」と考えたこともあり、育成コーチとして山雅に戻った。
 同社広報、ホームタウン担当を経て、今年からサンアルを含む県松本平広域公園の指定管理者のTOYBOX(トイボックス)に出向した。山雅とサポーターたちが共に戦うために最高の環境を用意できたら―と考えている。
 17日は山雅が徳島に勝てば他会場の結果にかかわらず昇格と優勝が決まる。「今回の巡り合わせはクラブとサポーターと地域が頂を目指してきた結果。選手たちには最後の笛が鳴るまで勝ちにこだわってほしい」と話す。
 「地域に応援されるクラブづくりの表現方法の一つとして、元選手を積極的に雇用する」(神田文之社長)方針の山雅。元選手たちはそれぞれの立場で山雅の足元を支えている。
 10年まで6年間、山雅でプレーした小沢修一さん(39)は12年、運営会社の社員に。15年からスポンサーやパートナー企業を募る営業職として奔走する。「自分のようなうだつの上がらない選手を応援してくれたサポーターと出会い、誰かのためにサッカーをやることが自分の目標になった」
 現在、多くのサポーターが集まる「喫茶山雅」のチーフを務める小沢さんは「みんなで作り上げて大きくなった松本山雅の、その先の姿を見たい」と夢を膨らませる。
 07年から12年まで山雅でプレーした木曽郡上松町出身の今井昌太さん(34)は昨年、北信越リーグのサウルコス福井を最後に現役を引退。今年3月から運営会社社員として山雅に戻り、アカデミーのコーチや運動教室などの事業に携わる。全てが初めての仕事には慣れないが、「よく戻ってきた」と声を掛けてくれる地域の人たちが支えだ。
 昇格と優勝を懸けて戦う選手が「うらやましい」との思いもある。「いま最高の舞台が整った。その中で試合ができるのは、自分だったら楽しくて仕方ない。思いっきり楽しんでほしい」と選手たちにエールを送った。

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