日銀の独立性 「物価の番人」 信なくば〈考ともに〉
目覚まし時計はうるさい。すぐに止めてもう少し寝ていたい。ただ長い目で見れば学校や仕事に遅れて困ってしまう―。
2012年、日銀総裁だった白川方明氏は記者会見で、中央銀行の役割を目覚まし時計に例えた。
物価を安定させ、経済の発展を助けることが中央銀行である日銀の仕事だ。世の中の金利の基準となる「政策金利」の上げ下げや流通するお金の量の操作といった金融政策を通じて、「物価の番人」として役割を果たす。
戦時中、政府は戦費調達のため大量の国債を日銀に引き受けさせた。財政規律が失われ、戦後にかけて深刻なインフレを招く。
各国の歴史を見ても、中央銀行は目先の景気拡大を期待する政治的な圧力にさらされてきた。中長期的な視点から本当に望ましい政策は何か。適切な判断を担保する鍵が「独立性」である。
長く日銀は大蔵省の指揮下に置かれた。政府から自立させる国際的な流れや不祥事が続く大蔵省改革の機運を受けて、新日銀法が1998年に施行された。
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「通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」(第3条)
独立性は明記された。だが