政治経済、スポーツ、日々の食卓など。多才な筆者6人が、多彩な話題を多様な視点で論じます。
文科省は、次期学習指導要領の改定の目玉として、情報教育拡充のための授業時間数の素案を盛り込んだ。この方面の遅れを挽回し、AIに関わる国際競争力とそのための人材養成が主な狙いのようだ。 このことは、文科省や内閣府の「AI国家戦略」以降の数理・データサイエンス・AI教育プログラムを見る限り、リテラシ…
武力紛争は野生動物やそれを含む生態系に大きな影響を与える。しかし、その分析・評価のために現場でデータをとることには危険が伴う。 ウクライナのチョルノービリ(チェルノブイリ)で、ロシアが侵攻中の野生動物の行動データがたまたま自動撮影カメラでとられ、米サイエンス誌に論文が先月発表された。1986年の…
半世紀前の1970年代半ば、私が6~8歳のころだ。父が家庭で力仕事をするとき、「母ちゃんのためなら エンヤコラ」「子供のためなら エンヤコラ」と口にするのを傍らでたびたび耳にした。 エンヤコラは掛け声、と当時の私でもわかった。人気番組「8時だョ!全員集合」のオープニング曲が「エンヤーコーラヤット…
ずいぶん前の話になる。文庫本で知って、微(かす)かな記憶が残るエピソードがある。心の片隅に残っていて、時々こうして頭をもたげ、自己主張をしてくるのだ。 著者は医師。専門は覚えていない。が、彼が出会った患者についての話は興味深かった。たとえば名人と評判の、ひとりの庭師。庭師は、自分の仕事を心から誇…
私の住む神戸市では公立中学の部活を地域移管することになった。部活指導が教員たちを疲弊させている。その「苦役」から教員たちを解放するための措置である。教員の負担軽減には大賛成である。でも、部活をアウトソースして、ほんとうに大丈夫なのだろうか、心配である。 うちの道場も受け入れに手を挙げたので、来月…
6月20日のTBS「報道特集」では、戦前における「スパイ防止法」で何が国民に要求されたか知ることができた。それは、これからつくられる「国家情報局」の役割を考える上で、とても参考になった。 番組は「軍機保護法改正案」を議論する1937年の帝国議会でのやりとりを取り上げていた。軍機とは軍事機密のこと…
美輪明宏さんが亡くなった。美輪さんなら100歳はおろか、150歳まで生きられると思っていただけに、悲しみとともに唐突感が残る。 天草四郎の生まれ変わりと自称していた美輪さんである。その立ち振る舞いは、山田風太郎の原作で、深作欣二監督の映画「魔界転生」の主人公、ジュリーこと沢田研二さんが演じた天草…
コウノトリの巣立ちの季節になった。兵庫県豊岡市の城崎温泉で、円山川と水田地帯に面した旅館「あさぎり荘」の庭に巣作りのため設置された人工の「巣塔」は、4羽のヒナで賑(にぎ)わっていた。宿泊した4階の部屋からは同じ高さの巣が間近に観察できる。体の大きい2羽は翼を時折大きく開き、巣立ちの練習をする。親鳥…
サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会は、出場チームを前回大会までの32から48へ拡大した。競技の普及や収益増の狙いがあり、歓迎した国や地域、サポーターは多かったろう。1次リーグはA―Lの12組で行われ、決勝トーナメントは各組1位と2位の24チームに、3位の成績上位8チームを加えた計32…
「落合さん…」という少し躊躇(ちゅうちょ)した感じの低い声のあとに、「ですよね?」。疑問形の語尾が続いた。 マスクが彼の顔の半分を覆っている。キャップが眉の上まで隠していて、年代すらわからない。 東京・吉祥寺で主宰する子どもの本の専門店。2階が書店で、1階が有機の八百屋。その食材を使ったレスト…
地方の小規模女子大はどこも志願者確保に苦労している。私のいる大学も定員割れの学科を抱えている。いろいろな方が再建の提案を持ち込んでくる。先日はさる女子大の再建に成功した「伝説のコンサル(タント)」が来訪した。秘策を伝授するが、一つだけ交換条件があると言う。伺ったら、「理事長は政治的発言を止(や)め…
4月に「新聞力研究所」という一般社団法人ができた。代表は東京新聞前代表の菅沼堅吾さんである。キャッチコピーは「新聞の逆襲」だ。 オールドメディア、オワコンなどと言われる新聞とテレビだが、兵庫県知事選で起こった問題や、SNS上の誹謗(ひぼう)中傷動画を首相陣営が作成したとされる疑惑など、SNS情報…
安全保障や抑止論を議論するとき、古典的な公式とされるのは「脅威=能力(軍事力)×意思(意図)」である。最近の防衛費の、それこそ異次元の拡大で気になるのは、前提となる「脅威」のイメージだけがことさら拡大増幅していることだ。 言うまでもなく現在、日本の「脅威」の対象は、習近平国家主席を頂点とする中国…
四半世紀ほど前、沖縄県八重山諸島の西表島(いりおもてじま)を訪れ、遠浅の海に広がるマングローブ林の壮大な景色に目を奪われた。河口から上流側に続くマングローブ林の岸辺近くで、巨大な板根を広げるサキシマスオウノキを見たときには、温帯の樹木にはない「迫力」を感じた。 当時、マングローブ林の世界的減少が…
「御嶽海関の四股が見られる好機」と待ちかねた県内の大相撲ファンもおられるかもしれない。木曽郡上松町出身の御嶽海(33)が所属する出羽海部屋がきょう25日、木曽町での合宿を3日間の日程で始め、稽古を無料で一般公開している。 先月の夏場所、御嶽海は東前頭14枚目で、2場所連続の8勝7敗だった。その夏…