今日の視角 生活防衛選挙(姜尚中)
第26回参院選が公示された。選挙の争点は何か。それは生活防衛である。このことは、既にロシアのウクライナ侵攻以前から共通の問題になっていた。そこに侵攻がダメ押しを加え、エネルギーや食糧などの価格上昇によるインフレが世界経済を襲ったのである。
日本の場合、特に深刻だ。アベノミクス以来の空前の金融緩和と放漫な財政支出が重なり、円安に歯止めがかからず、エネルギー資源や戦略物資、食糧価格の高騰を招いてしまったからである。
さらに深刻なことに、先進諸国の中で日本だけ、賃金はほとんどフラットな状態が続いている。本格的な値上げラッシュが続けば、一般の国民の生活そのものがボロボロにされてしまうかもしれないのだ。
経済学者ケインズがレーニンの言葉を引用しながら指摘したように…