フィルターで二酸化炭素を分離回収 キッツマイクロフィルター試作
■火力発電所の排ガス想定 再利用図る
精密ろ過機器製造のキッツマイクロフィルター(茅野市)は、二酸化炭素(CO2)の分離回収が可能なフィルターの開発を進めている。今年3月から、化学大手の東ソー(本店・山口県周南市)や九州大(本部・福岡市)などでつくる技術開発プロジェクトに参加。火力発電所の排ガスを想定した研究を続けており、CO2を再利用する「カーボンリサイクル」の実現に向けて、2030年までの実用化を目指す。
キッツマイクロフィルターは、バルブ製造大手のキッツ(千葉市)の子会社。ストロー状の樹脂「中空糸膜(ちゅうくうしまく)」を独自技術で生産し、中空糸膜を束ねたフィルターを製造している。フィルターは工業用や家庭用の浄水器として商品化している。
CO2の分離回収は、このフィルターに排ガスを通過させて行う。中空糸膜には…