【すわこらむ】若芽が紡ぐ芸術に思いはせ
先日、諏訪支社にレジ袋いっぱいの春菊の若芽を頂いた。初々しい黄緑色から採れたての新鮮さが伝わってきた。
届けてくれたのは近くに住む芸術家宮坂了作さん(72)。春菊の若芽をアルファベットの形に栽培し、組み合わせてメッセージを作る「植物アート」に取り組んでいる。若芽が硬くなる前には刈り取って食べる「エコな芸術」だそうだ。
米国留学で突発的に起こすアート表現「ハプニング」を学んだ宮坂さん。物質に頼らない「観念美術」で知られた下諏訪町の故松沢宥(ゆたか)さんとも親交があり、「いろんな芸術、いろんな表現があっていい」と持論を語ってくれた。そう言われ、頂いた若芽を朝食のベーコンエッグに添えると、芸術的に見えてきた気も…。
宮坂さんが数日前、春菊の種をまいたプランターを社屋横に置いてくれた。「SHINMAI(信毎)」の文字に成長しつつある。この若芽はどう生かそうか。水やりをしながら自分なりの芸術に思いを巡らせている。(恵)