靴販売のシューマート(長野市)社長の霜田清さん(55)は、中国・唐の2代皇帝太宗とその臣下らの問答を収めた「貞観(じょうがん)政要」を会社のデスクの傍らに置いている。27年前、創業者の故・岡宮秀明さんから手渡された。同書は今も経営者になった自身を見つめる機会を与えてくれている。 同書は徳川家康も読んで学んだとされる。時に厳しい意見を投げかける臣下と…
クラフトビール製造のヤッホーブルーイング(北佐久郡軽井沢町)の社長、井手直行さん(54)は、「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」に書かれた法則の正しさを、ビジネスの現場でたびたび実感してきた。同社を創業した星野リゾート(同)代表の…
「本当に強いリーダーとは何か教わった」。野村ユニソングループの中核企業で、金属加工や産業装置製造などを手掛ける野村ユニソン(茅野市)会長の野村稔さん(75)は…
リーマン・ショック後の業績悪化から抜け出せずにいた2013年。HIOKI(上田市)社長の岡沢尊宏さん(53)は書店で、宮本輝さんの小説「三十光年の星たち」を手に取った。読書が趣味で、宮本さんの作品はほぼ読んでいたが…
土木管理総合試験所(長野市)社長の下平雄二さん(66)が、会社経営で頼りにした本は「地上最強の商人」(原題・The Greatest Salesman in the World)だ。同社の主力事業は地質や建造物の…
長野銀行(松本市)頭取の西沢仁志さん(58)の座右の書は、法隆寺の再建などを手掛けた宮大工、西岡常一さん(1908~95年)のエッセー「木に学べ 法隆寺・薬師寺の美」だ…
1988年当時、八十二銀行会長の湯本昭一さん(65)は、ニューヨークのビジネススクールで学んでいた。その時、経営陣やファンド、そして銀行が絡んだRJRナビスコの買収劇を目の当たりにする。「BARBARIANS AT THE GATE」(邦訳名・野蛮な来訪者)は…
「企業経営に当たり、心の持ち方が全てなのだと教えられた」。長野電鉄(長野市)社長の笠原甲一さんは、京セラ(京都市)の創業者で、現名誉会長の稲盛和夫氏が開いた経営塾「盛和(せいわ)塾」の機関誌をいつも手元に置いてきた。「良いことを思い、実行すれば、良い結果が生まれる」とする稲盛氏の理念は、会社の…
「お前が責任を取る意識を持っていないと、全てがはじまらない。最終的な意思決定はお前がやるんだぞ」 「ザ・ラストマン」は、日立製作所を連結7千億円の赤字からV字回復に導いた元会長、川村隆氏が自らの考え方と実践をつづった一冊だ。2015年に出版され、セイコーエプソン会長の碓井稔さん(66)が手に取ったのは…
「役割を捨てよ」「肩書なしの人間の幅で生きて行かなくてはならぬ」―。 多摩川精機(飯田市)で社長、副会長を務めた萩本範文さん(77)が半世紀にわたって手元に置く愛読書「いのちの風光(ふうこう) 現代に生きる仏教」の一節だ。2017年に同社を退社し、新会社のAMシステムズ(同)を設立した際にも…