生乳需給ギャップいつまで 緊急支援策は「低能力牛」1頭当たり15万円 命に向き合う現場から見つめる

 信濃毎日新聞デジタルのウェブオリジナル企画「経済つくるゲンバ!」で、「牛乳ができるまで」をテーマに上高井郡高山村の酪農家と同郡小布施町の「オブセ牛乳」を取材した。記事は、県内のものづくりやサービスの現場の模様を柔らかい雰囲気で発信する趣旨。しかし、今回の取材は、それだけでは語り切れないほどの難局に見舞われている現場でもあった。餌代や資材費などの高騰、子牛の販売価格の下落…。牛乳の供給過多を解消するため、農水省は早期の食肉出荷を促す緊急支援事業に踏み切った。こうした動きを県内の現場から見つめる視線をたどった。

(松沢佳苗)

■宮川牧場×オブセ牛乳 「経済つくるゲンバ」の見た現場(上)

 国内の酪農家や乳業者、販売店でつくる一般社団法人Jミルク(東京)が今年1月に発表した生乳・乳製品の需給見通しによると、2022年度の全国の需給状況は生乳換算で42・8万トンの供給超過となる見通し。長野県の年間の生乳生産量(約9万トン)の4倍以上だ。新型コロナウイルス感染拡大を受けた臨時休校などの影響が後を引き、供給過多の状況が続く。

 農水省は3月、乳量が少ないなどの「低能力牛」を早期に食肉用…

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