業者「赤字を覚悟」 長野県でも新米の価格が古米より安い「逆転現象」起きる
県内のスーパーなどに並び始めた2026年産の県産コシヒカリの9月下旬時点の平均店頭価格は5キロ3502円で、25年産の前年同時期4610円を1108円(24・0%)下回ったことが9日、信濃毎日新聞の調査で分かった。「令和の米騒動」で仕入れ値が高騰していた25年産に比べ、大幅に低下した26年産の仕入れ値が店頭価格に反映された。
今回の調査では、26年産の県産コシヒカリは18店舗中4店舗に計7商品が並んでいた。ともに販売されている25年産の県産コシヒカリは計28商品で、平均価格は4293円だった。新米の26年産より、古米の25年産が高い「逆転現象」が起きている=グラフ。
JAグループがコメを集荷する際、生産者に前払いする「概算金」は全国各地で大幅に値下がりしている。県内の各農協が基にする全農県本部(長野市)の概算金は、一般的な産地(A地区)のコシヒカリで前年比40・8%減と大きく引き下げられた。概算金の値下がりに合わせ、業者間の取引価格も昨年より下がり、店頭価格に影響した。
県内のコメ卸業者は「25年産の売れ行きはかなり鈍い」。価格高騰で消費者のコメ離れが進んだとみる。ある小売店は26年産についても「思っていたより販売が伸びていない」と話す。
古米となった25年産の販売は、卸業者らにとって大きな課題だ。コメの流通に詳しい流通経済研究所(東京)の折笠俊輔主席研究員は「抱え過ぎた在庫を減らすためには、価格を下げる必要がある」と指摘。ある卸業者は「25年産の仕入れ価格を基にした価格では買ってもらえない。赤字覚悟で値段を下げざるを得ない」と話した。
[信濃毎日新聞のコメ価格調査]県内で販売されているコメの生産年別の価格などに関する公的な調査がないため、2025年9月に開始した。本紙記者が毎月下旬に県内の小売店を訪ね、コメ売り場に並んでいる県産コシヒカリ5キロの店頭価格を調べている。現在の対象は県内全域に展開しているスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアの計18店舗。







