料理研究家・横山タカ子さんが信州各地を巡り、それぞれの「地域の宝」の食に出合います。
■信州暮らしの宿る食(66) 東京駅から新幹線に乗れば、約1時間半で爽やかな長野市に到着します。訪れた都会の人に「長野市に郷土料理はあるの」とか「野沢菜、おやき、おそばだけでしょ」と言われることもありますが、何度も市町村合併を繰り返した長野市には気候風土の異なる昔の村や町の伝統を受け継ぐ郷土料理や風…
■信州暮らしの宿る食(65) 戦中戦後の食事を箱膳で体験し日本の食文化を学ぼうという講座が今月上旬、長野市で開かれました。主催は郷土の食文化を学ぶ有志でつくる「信州ひらがな料理普及隊」の中の「朔(さく)の会」(代表・村田逸子(いつこ)さん)です。 講座の中で、戦中戦後の食事について語ったのは同隊…
■信州暮らしの宿る食64 中社や奥社などから成る有名な戸隠神社を抱く霊山戸隠山―。長野市戸隠は、信州人として都会からのお客さんを案内したくなる自慢の場所の一つです。 その戸隠で、市商工会戸隠支部女性部主催の「戸隠古流祭礼御膳」の勉強会にお伺いしました。晴れの日のおもてなし料理で、平安時代から伝わ…
■信州暮らしの宿る食 63 前回、葬儀料理を取材した下伊那郡喬木村には伝統工芸品の和傘「阿島傘」があります。今回は、その阿島傘の作り手に教わった傘と料理についてご紹介します。 和傘は、私が嫁ぐ時に親が持たせてくれた嫁入り道具の一つで、思い入れがあります。最近すっかり見かけなくなりましたが、その頃…
■信州暮らしの宿る食 61 再び長野市若穂綿内の取材です。前回は特産のレンコンを生かした「レンコンぼた餅」を生産者のご家族に教わりましたが、今回は若穂地区食生活改善推進協議会会長をしていた竹内俊子さん(75)に葬儀料理を伺いました。米アラスカ州にある北米大陸最高峰のマッキンリー(デナリ)に登頂した…
■信州暮らしの宿る食 60 1月に東京・銀座の県情報発信拠点「銀座NAGANO」で開いた催しで、長野市若穂綿内の皆さんと、郷土料理のもてなしをしてきました。中核市である長野市に「郷土料理はあるの?」と、疑問の顔をされている方ばかりでしたが、とろろご飯にレンコン団子汁など、とても喜んでいただきました…
■信州暮らしの宿る食 59 今年は信州の伝統野菜「戸隠大根」で、たくあんを漬ける幸運に恵まれました。戸隠の風土そのままを樽(たる)いっぱいに。こんなに満足でうれしいことはありません。漬けたのは、横田久さん(88)が育てた大根です。1月に横田さん宅をお訪ねした折、大根の使い方や葬儀料理について、教…
■信州暮らしの宿る食 58 昨年、木曽郡南木曽町で木地師のイタドリ料理を教えていただいた小椋シガ子さんから〝自然薯(じねんじょ)収穫祭〟のお知らせをいただき、12月に再びお訪ねしました。自然薯といえば、山の中に自生しており、なかなかお目にかかれない食材です。子どもの頃、大人から「滋養にいい」「薬だ…
■信州暮らしの宿る食 57 信州の伝統野菜には5種ものネギがあります。「御所ねぎ」(下伊那郡阿智村)、「駒屋ねぎ」(同郡売木村)、「千代ネギ」(飯田市)、「松代一本ねぎ」(長野市)、そして同じ名を持つ松本市の「松本一本ねぎ」…と。なんと豊富なことでしょう。一本立ちだったり、根元から分かれて増える「…
江戸時代からの豪商の館「田中本家博物館」(須坂市)に、法事料理を記した古文書が保管されていると聞き、この秋訪ねました。当時の料理を、できる限り再現してみたいと思ったからです。江戸中期からの暮らしを大切に保存し、今につなげ、展示している博物館は、私にとって憧れの場所でもあります。
そばの収穫時期を迎えました。そば粉を使った料理は数多くあります。そば切りに始まりそばがき、薄焼き、ガレットなど。その中でも最も私が気になっていたのは「早(はや)そば」でした。 今年4月、下高井郡山ノ内町で伝統野菜の前坂大根をたどりながら、地域の食文化に詳しい宮崎洋子さんと皆さまにお会いし、葬儀料…
■信州暮らしの宿る食 54 秋の彼岸は今年は9月20日から26日でしたが、彼岸は、おはぎですね。私もくるみおはぎを作り、仏に供えました。くるみおはぎと言えば、上田市の前山寺が有名です。7月にお寺に伺った折に、住職のお母さま、河合照子さん(75)に、作り方を教えていただきました。昭和30年頃から作り…
■信州暮らしの宿る食 53 長野市信州新町の左右(そう)にお住まいの中村志保美(しほみ)さん(73)をお訪ねして、当地の葬儀料理を教えていただきました。伺ってすぐ、「遠かったでしょう。まずお茶を一杯」と、もてなしてくださいました。 手作りのおいしいお茶請けが山ほど、テーブルいっぱいに並べられまし…
■信州暮らしの宿る食 52 信州の鎌倉とも称される塩田平。前山寺(ぜんさんじ)(上田市)にある国重要文化財の三重塔は室町時代の建立とされ美しい佇(たたず)まいです。 こちらの前山寺、現住職のお母さまである河合照子さん(75)に、代々伝わる貴重な料理を教えていただきました。以前、お施餓鬼(せがき)…
■信州暮らしの宿る食 51 昨年末にお訪ねした上水内郡飯綱町に、再び伺いました。この地域では、とても珍しいことに「端午の節句の祝い魚はサバ」と聞き、6月になるのを待っての再訪です。 端午の節句は、一般的には新暦の5月5日ですが、月遅れの6月初旬に祝う風習が一部で伝わります。明治時代初期、政府が…